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 質問コーナー 

古墳こふん時代じだい」っていういけど、「古墳こふん」についておしえてほしいな。古墳こふんってどんなものなの?

むかしひとのおはかのことなんです。漢字かんじからもわかります。「ふん」ははかという意味いみがあるので、「古墳こふん」でふるいおはかという意味いみです。

古墳こふんがおはかっていうことは、古墳時代こふんじだいひとはみんな古墳こふんはいっているの?
いいえ、ちがうんです。いまくなると、ほとんどのひとがおはかはいりますが、古墳こふんつちって小山こやまのようにしますので、つくるのに時間じかん人手ひとでがかかります。おおきなちからひとだけが古墳こふんをつくることができたんです。つまり、地域ちいきおうのような権力者けんりょくしゃ古墳こふんはいっていた、ということになりますね。

古墳こふんかぎられたひとしかつくれないっていうことなら、なかにはなに特別とくべつなものをれたりするの?

まずは、くなったひとほうむるための部屋へやひつぎがあります。遺体いたいれるひつぎいしでできています。それ以外いがいに、かがみ玉類たまるい武具ぶぐ馬具ばぐなどが一緒いっしょはいっていることがありますね。

へぇ〜。いろんなものがはいっているんだね。でも、なんでそんなものをれるの?
古墳こふん小山こやまのようなかたちをしているわけですから、おはか外見がいけんでもちからっていたことがわかりますよね。おなじようにおはかなかにも、ちからのシンボルになるようなめずらしいものや自分じぶん権力けんりょくをはっきりあらわすものをれることで、ちからっていたということをつたえたのだとおもいます。
では、実際じっさい亀山市内かめやましない古墳こふんから発見はっけんされたものをながら、どんなひとがいたのか一緒いっしょかんがえてみませんか?

 1コーナーの具足ぐそくおなじく、よろい自分じぶんからだまもるための武具ぶぐです。市内しないから出土しゅつどしたよろいは、どうのみをおおたけみじかよろい短甲たんこうでした。つくりかたも、横長よこなが鉄板てっぱんびょうてつくぎ)でつなぎわせるもので、ちいさな鉄板てっぱんいとでつなぐよろいとはことなります。  とはいえ、鉄板てっぱんからだかたちにあうようにまげたり、びょう内側うちがわからもちつけた丁寧ていねい仕上しあげをしたりとたか技術ぎじゅつでつくられています。


25.横矧板鋲留短甲よこはぎいたびょうどめたんこう山下町やましたちょう大垣内古墳おおがいとこふん〉市指定文化財
   古墳時代後期(6世紀初頭) 亀山市歴史博物館所蔵


 長方形ちょうほうけい鉄板てっぱんびょうあたままるくぎ直径ちょっけい8mm)でつなぎわせた、どう部分ぶぶんだけをおおよろいです。正面しょうめん左右さゆうがそれぞれ7まい背中せなか7枚まい鉄板てっぱんでできています。鉄板てっぱんは、偶数枚ぐうすうまい背中せなか:テ・ナ・ヌ)のうえ奇数枚きすうまい背中せなか:ツ・ト・ニ・ネ)、という順番じゅんばんかさねられています。

短甲模式図・計測表
(『大垣内古墳発掘調査報告書Ⅰ』亀山市教育委員会、1997年)

小鉄板

 右脇みぎわきると、ちいさな鉄板てっぱん(2.8cm×2.4cm)が4まいあります。この部分ぶぶんかわぬのでつなぐことで、よろいめしてていたとかんがえられます。正面しょうめんよろいかさなる部分ぶぶんがあり、よろい右側みぎがわだけひらくことができるようになっているので、そこからからだれてじるというようにていたのではないでしょうか。

布痕跡
 さらに、よろいちかづいててみましょう。一番上いちばんうえした鉄板てっぱんにはぬのあとのこっています。つまり、かたからよろいげるための肩紐かたひもよろいじるための腰紐こしひもがあったということがわかります。につけられる状態じょうたいにしておはかなかれていたということになります。
かたからこしまでの上半身じょうはんしんおおよろいなんだね。
鉄板てっぱんをつなぎわせることでからだかたちにあうようにつくっているなんて、すごいわざっているんだね!からだかたちわせるのは、1コーナーの江戸時代えどじだい具足ぐそくおなじだけど、つなぎわせる鉄板てっぱんおおきさやつなぎかた全然ぜんぜんちがうからかたちちがうんだね。
横矧板鋲留短甲よこはぎいたびょうどめたんこう


てつよろいおもい?かるい??
 1500ねんほどつちなかにあったため、びていますが、てつでできたよろいです。おもさは4950g(4.95kg)あります。びたためつくったときよりおもくなっていますので、最初さいしょはもうすこかるく3500g(3.5kg)ほどだったのではないかとかんがえられます。


26.模造復元もぞうふくげん横矧板鋲留短甲よこはぎいたびょうどめたんこう 〈山下町やましたちょう大垣内古墳おおがいとこふん〉(歴博貸出ユニット)
   亀山市歴史博物館所蔵
 横矧板鋲留短甲よこはぎいたびょうどめたんこう出品番号しゅっぴんばんごう25)つくられたときのかたちかんがえてつくりました。鉄板てっぱんではありませんのでおもさはちがいますが(おもやく2kg)、おおきさやいたかさかたおなじです。実物じつぶつ見比みくらべてみましょう。

模造復元・横矧板鋲留短甲


短甲たんこう
 ここで紹介しょうかいしました上半身じょうはんしんおおよろい短甲たんこう古墳時代こふんじだいのみでその製作せいさくわるわけではありません。2コーナーで紹介しょうかいしました藤原仲麻呂ふじわらのなかまろらん天平宝字てんぴょうほうじねん(764))のときに使つかわれた武器ぶきをもう一度いちどてみましょう。出入帳しゅつにゅうちょう出品番号しゅっぴんばんごう23)」には、よろい100りょう内訳うちわけとして、「短甲たんこう10りょう」とあります。短甲たんこう登場とうじょうしてから400年後ねんごにもおなかたち短甲たんこうがつくられ、たたかいで使つかわれていたことがわかります。
 かたからこしまでの上半身じょうはんしんしかおおっていませんが、1コーナーの具足ぐそくくらべてみるとたりいだりも簡単かんたんですし、うごきやすかったのかもしれません。



   

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