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およそ300
年前
(
ねんまえ
)
、
亀山
(
かめやま
)
は
亀山城主
(
かめやまじょうしゅ
)
である
石川家
(
いしかわけ
)
が
治
(
おさ
)
めていました。200
年前
(
ねんまえ
)
に
江戸時代
(
えどじだい
)
が
終
(
お
)
わるまで、ずっと
石川家
(
いしかわけ
)
が
大名
(
だいみょう
)
を
勤
(
つと
)
めました。そのため、
亀山
(
かめやま
)
には
大名
(
だいみょう
)
石川家
(
いしかわけ
)
のものとして、いくつかの
具足
(
ぐそく
)
が
今
(
いま
)
に
伝
(
つた
)
わっています。そこで、このコーナーでは、
石川家
(
いしかわけ
)
の
具足
(
ぐそく
)
を
紹介
(
しょうかい
)
します。
ここにある
具足
(
ぐそく
)
は
実際
(
じっさい
)
に
着
(
き
)
るものですが、
飾
(
かざ
)
っているだけでもその
迫力
(
はくりょく
)
が
伝
(
つた
)
わってきます。
武士
(
ぶし
)
である
石川家
(
いしかわけ
)
の
具足
(
ぐそく
)
は、
石川家
(
いしかわけ
)
のシンボルとなるようなものでした。
1.
緋糸威胴丸具足
(
ひいとおどしどうまるぐそく
)
江戸時代後期 亀山市歴史博物館 亀山神社寄託資料
平安時代
(
へいあんじだい
)
中頃
(
なかごろ
)
(1000
年前
(
ねんまえ
)
)に
誕生
(
たんじょう
)
し、
室町時代
(
むろまちじだい
)
(500〜600
年前
(
ねんまえ
)
)にさかんに
使
(
つか
)
われた
昔
(
むかし
)
の
鎧
(
よろい
)
の
形
(
かたち
)
をまねて
作
(
つく
)
られています。さまざまな
場所
(
ばしょ
)
に
笹竜胆
(
ささりんどう
)
という
家紋
(
かもん
)
が
据
(
す
)
えられ、
江戸時代
(
えどじだい
)
に
亀山藩
(
かめやまはん
)
を
治
(
おさ
)
めた
大名
(
だいみょう
)
、
石川家
(
いしかわけ
)
の
鎧
(
よろい
)
と
兜
(
かぶと
)
ということを
主張
(
しゅちょう
)
しています。
笹竜胆
この
鎧
(
よろい
)
は、
胴
(
どう
)
の
高
(
たか
)
さが40.5cmあります。
座
(
すわ
)
った
形
(
かたち
)
で
兜
(
かぶと
)
までの
高
(
たか
)
さが148.5cmあり、
大
(
おお
)
きく
作
(
つく
)
ったと
考
(
かんが
)
えられます。
石川家
(
いしかわけ
)
のシンボルとして
作
(
つく
)
られたのではないでしょうか。
緋糸威
(
ひいとおどし
)
:
緋色
(
ひいろ
)
(
明
(
あか
)
るい
赤色
(
あかいろ
)
)に
染
(
そ
)
めた
糸
(
いと
)
を
編
(
あ
)
んだ
紐
(
ひも
)
で、
小札
(
こざね
)
という
小
(
ちい
)
さな
鉄
(
てつ
)
の
板
(
いた
)
をつなげています。
胴丸
(
どうまる
)
:
蝶番
(
ちょうつがい
)
がなく、
右脇
(
みぎわき
)
で
引
(
ひ
)
き
合
(
あ
)
わせるように
着
(
き
)
ます。
馬
(
うま
)
に
乗
(
の
)
って
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
て
戦
(
たたか
)
うためにしっかりした
装備
(
そうび
)
として
登場
(
とうじょう
)
した
大鎧
(
おおよろい
)
に
対
(
たい
)
し、
徒歩
(
とほ
)
で
戦
(
たたか
)
う
武士
(
ぶし
)
のために
身軽
(
みがる
)
に
動
(
うご
)
けるように
改良
(
かいりょう
)
したものが
胴丸
(
どうまる
)
です。
緋糸威胴丸具足
(
ひいとおどしどうまるぐそく
)
2.
具足注文麁書
(
ぐそくちゅうもんあらがき
)
江戸時代 加藤家文書
具足
(
ぐそく
)
とは、
甲冑
(
かっちゅう
)
(
鎧
(
よろい
)
と
兜
(
かぶと
)
)と
付属具
(
ふぞくぐ
)
(
籠手
(
こて
)
や
臑当
(
すねあて
)
、
佩楯
(
はいだて
)
など)のことです。
具足
(
ぐそく
)
は、
注文
(
ちゅうもん
)
して
作
(
つく
)
ってもらうものでした。これは、その
注文
(
ちゅうもん
)
のあらましを
書
(
か
)
いたものです。
兜
(
かぶと
)
・
頬当
(
ほおあて
)
(
面頬
(
めんぽお
)
)・
喉輪
(
のどわ
)
・
身甲
(
どう
)
・
毛散
(
けさん
)
(
草摺
(
くさずり
)
)・
腰鎖
(
こしぐさり
)
・
袖
(
そで
)
・
籠手
(
こて
)
・
佩楯
(
はいだて
)
・
臑当
(
すねあて
)
の
注文内容
(
ちゅうもんないよう
)
が
書
(
か
)
かれています。
具足注文麁書
(
ぐそくちゅうもんあらがき
)
甲冑名称
鎧
(
よろい
)
や
兜
(
かぶと
)
を
作
(
つく
)
るときは、「
甲冑師
(
かっちゅうし
)
」っていう
甲冑
(
かっちゅう
)
を
作
(
つく
)
る
専門
(
せんもん
)
の
職人
(
しょくにん
)
さんに
注文
(
ちゅうもん
)
したんだよ!
3.
指物絵図
(
さしものえず
)
江戸時代 亀山市歴史博物館寄託 加藤家文書
指物
(
さしもの
)
は、
戦
(
たたか
)
いのとき、
自分
(
じぶん
)
が
誰
(
だれ
)
であるのか
表
(
あらわ
)
すもので、
甲冑
(
かっちゅう
)
の
胴
(
どう
)
の
後
(
うしろ
)
に
差
(
さ
)
し
込
(
こ
)
んで
使
(
つか
)
いました。
指物
(
さしもの
)
には、さまざまなデザインを
使
(
つか
)
いますが、そのひとつとして
家紋
(
かもん
)
を
使
(
つか
)
うこともありました。
甲冑
(
かっちゅう
)
には、さまざまな
場所
(
ばしょ
)
に
持
(
も
)
ち
主
(
ぬし
)
の
家紋
(
かもん
)
が
据
(
す
)
えられています。
家紋
(
かもん
)
は
家
(
いえ
)
ごとのマークです。
江戸時代
(
えどじだい
)
の
亀山
(
かめやま
)
には、どんな
家紋
(
かもん
)
を
使
(
つか
)
う
家
(
いえ
)
があったのでしょうか。
指物
(
さしもの
)
の
図
(
ず
)
で
見
(
み
)
てみましょう。みなさんの
家
(
いえ
)
はどんな
家紋
(
かもん
)
ですか?
同
(
おな
)
じ
家紋
(
かもん
)
はあるでしょうか?
指物絵図
(亀山市歴史博物館寄託
加藤家文書33-1-2)
指物絵図
(亀山市歴史博物館寄託
加藤家文書33-1-3)
生田彌兵衛指物絵図
(亀山市歴史博物館寄託
加藤家文書33-1-80)
徳森孫□(四カ)郎指物絵図
(亀山市歴史博物館寄託
加藤家文書33-1-89)
4.
朱塗
(
しゅぬり
)
矢筈札
(
やはずざね
)
紺糸毛引威
(
こんいとけびきおどし
)
二枚胴
(
にまいどう
)
具足
(
ぐそく
)
江戸時代前期 亀山市歴史博物館 亀山神社寄託資料
亀山藩
(
かめやまはん
)
を
治
(
おさ
)
めた
大名
(
だいみょう
)
、
石川家
(
いしかわけ
)
ゆかりの
甲冑
(
かっちゅう
)
です。
石川忠総
(
いしかわただふさ
)
が
大坂
(
おおさか
)
冬
(
ふゆ
)
の
陣
(
じん
)
・
夏
(
なつ
)
の
陣
(
じん
)
(
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
が
豊臣氏
(
とよとみし
)
を
攻
(
せ
)
め
滅
(
ほろ
)
ぼした
戦
(
たたか
)
い)で
着
(
き
)
たものと
伝
(
つた
)
えられています。
左袖
(
ひだりそで
)
には「
拾壱番
(
じゅういちばん
)
御具足
(
おぐそく
)
忠総公
(
ただふさこう
)
御召
(
おめし
)
ニ
付
(
つき
)
(この
御具足
(
おぐそく
)
は
忠総公
(
ただふさこう
)
が
着用
(
ちゃくよう
)
されたもの)」と
紙
(
かみ
)
の
札
(
ふだ
)
が
付
(
つ
)
いています。
紙札
朱塗矢筈札
(
しゅぬりやはずざね
)
:
小札
(
こざね
)
が、
朱漆
(
しゅうるし
)
で
塗
(
ぬ
)
られ、
矢
(
や
)
の
上端
(
じょうたん
)
で
弓
(
ゆみ
)
の
弦
(
つる
)
を
受
(
う
)
ける
部分
(
ぶぶん
)
(Vの
字形
(
じがた
)
)の
形
(
かたち
)
をしています。
紺糸毛引威
(
こんいとけびきおどし
)
:
紺色
(
こんいろ
)
の
糸
(
いと
)
で
隙間
(
すきま
)
ができないように
細
(
こま
)
かく
小札
(
こざね
)
を
綴
(
つづ
)
っています。
二枚胴
(
にまいどう
)
:
胴
(
どう
)
が
前
(
まえ
)
と
後
(
うしろ
)
の2つにわかれているため、その
部品
(
ぶひん
)
を
蝶番
(
ちょうつがい
)
でつないだもの。
着
(
き
)
るために、
左脇
(
ひだりわき
)
に
蝶番
(
ちょうつがい
)
(
開閉
(
かいへい
)
するために
取
(
と
)
り
付
(
つ
)
ける
金具
(
かなぐ
)
)をつけ、
右脇
(
みぎわき
)
に
胴
(
どう
)
を
引
(
ひ
)
き
合
(
あ
)
わせる
紐
(
ひも
)
があります。
朱塗矢筈札紺糸毛引威二枚胴具足
金色
(
きんいろ
)
の
蝶羽
(
ちょうばね
)
が
目立
(
めだ
)
つわ!
ひとつ
前
(
まえ
)
で
指物
(
さしもの
)
が
紹介
(
しょうかい
)
されているけれど、これも
指物
(
さしもの
)
なの。
石川忠総
(
いしかわだたふさ
)
って、わかるようにしているのね!
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