亀山市加太小学校1年生国語科出前授業

「たぬきの糸車」


 平成26年2月26日(水)に亀山市立加太小学校1年生へ出前授業に行きました。
 教室へ糸車を持って入ると、「糸車やあ。」「まわしたい!」と目を輝かせて出迎えてくれました。国語科で勉強した「たぬきの糸車」の学習をしたとき、一番好きな場面に「たぬきが糸車を回している場面」や「おかみさんが回している糸車を見ている場面」を選んでおり、実物の糸車を見て、回すのを楽しみに授業を進めました。

<糸車のしくみ>

糸車の説明をしています
 「どの部分で糸を作るかわかりますか?」 という問いかけに、
 「取っ手を回すと、大きなところが回る。」
 「(つむを見て)ちくちくで痛そう!」
と、糸車をじっくり見ながら、考えました。
 子どもたちは車の方でできると思っていましたが、「つむ」の方だと知って驚きました。

<加太でも糸車を使っていました>

 綿を引っ張りながらねじっていくと糸ができます。糸車は、「つむ」が回って綿がねじれていきます。
 「おかみさんが、左手をピーとひっぱっていた。」
 「右手で回しながら、左手で持っている。」
 教科書の挿絵を見ると糸車の使い方がわかりました。

糸を見ています
<糸を見るとねじれているのが
わかるね>

<きこりはどんな仕事をしていたかな?>

道具の画像を見ています
 「きこりの夫婦はなぜ山奥に住んでいたのでしょう?」

  「木を切るため。」
  「木を売りに村へ行く。」
  「冬には村へ帰る。」

 「木を切る仕事だから、きこりの夫婦は山奥に住んでいたのですね。」

  <山の仕事に使った道具です>
 きこりが使っていただろうという道具を映像で紹介しました。
  のこぎり
  おの(亀山市域では「よき」ということも
      知らせました)
  袋矢
 はじめて見る道具もあれば、知っている道具もありました。
 太い木を切り倒す方法も説明すると、倒れるところを想像していました。
 加太は山の仕事が盛んだったことも知らせました。

様々な道具の画像を見ています
<いろいろな道具を使って木を倒すよ>

<どんな家に住んでいたのかな?>

茅葺きの家の写真です  きこりの夫婦がくらしていた家は、映像を使って説明しました。
 亀山市内にあったかやぶき(わらぶき)の家を紹介しました。亀山城のそばにあった茅葺きの家を見ると、
「そこへ行ったらまだあるのかなあ。」
と、実際に見てみたい気持ちがあふれていました。
 学校の近くに茅葺きの上にトタンが貼ってある家があることも紹介しました。
<城は藁葺きじゃないの?>

 障子は知っている子が多かったです。
「お寺にあるよ。」
「私が見たのは、ガラスが入っていなかった。」
 映像を見ながら子どもたちが説明していました。
穴の開いた障子です
<あっ、あながあいてる>

<なぜたぬきなの?>

 加太にもたぬきに化かされた話が伝わっています。
 67年くらい前の話ですが、たぬきの話が伝わっているのは、たぬきが身近な動物だったからでしょう。
 薪拾いに行った人が、中在家の信号所まで帰ってきました。いつもはついている信号が消えているので「おかしいなあ」と思っていると、3mもあり風呂上がりで湯気の出ている相撲取りが現れました。「加太に相撲取りがいるなんておかしいなあ」と思って、拾ってきた薪で相撲取りをたたきつけましたが、その薪が動かなくなりました。大きな声を出していたので、通りかかった村の人が酔っぱらっているのかと思い、家の人に知らせました。
 家の人が迎えに来て、鼻の先をなめられたので気がつくと、飼っていた犬が鼻をなめていた。信号機もいつものようについていたので「たぬきに化かされたなあ。」と思い、翌日鉄砲撃ちに退治してもらいました。たくさんのたぬきが捕れたそうな・・・・・

<糸車を回してみよう>

糸車を回しています   全員が糸車を回してみました。どの子もやさしく回していました。回し方によって、聞く人によっていろいろな音に聞こえました。
「ブルブル」「グルグル」
「キーカラカラ、キークルクルに合うよ。」
「自分で回さなくても聞いてるだけでもいいわ。」
「ハムスターが乗っていそう。」
次から次へと感想が聞かれました。
<両手でするのむずかしい。>
先生が糸車を回しています 障子の穴からのぞいています
<先生がおかみさん役> <障子の穴からのぞくと、目が回る!>

<糸車のことを2年生に教えたよ>

 次の時間一緒に学習する2年生が教室へ来たので、1年生が回す向きや竹でできている部分を教えていました。去年は写真を見ただけだったので2年生も大喜びでした。
2年生が糸車を回しています 糸車の周りに2年生が集まっています
<軽い!!ジェットコースターみたい!!> <逆回ししたら糸がほどけてしまう!>
子どもたちの感想
  • 本物の糸車をまわせてうれしかったです。
  • 片手で回せるほど軽かったのでびっくりしました。
  • こんな音が出るなんてびっくりしました。
  • 糸車は本当に大事なものなんだなと思いました。
  • 糸が綿からできているのを初めて知りました。
  • パソコンで藁葺きの家を初めて見てうれしかったです。
  • また、歴史博物館に行ってみたいです。

提示資料

<実物資料>
   糸車・つむ・綿・かせ糸

<写真・映像>
   のこぎり・斧(よき)・袋矢(フクロヤ)・茅葺きの家・障子・板戸・板間・土間
   かまど




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