関中学校1年生社会科出前授業
「過去を引きずる生き方」
「過去を引きずる生き方」
平成25年11月7日(木)亀山市立関中学校1年生へ出前授業に行きました。
関中学校1年生は、4月から学習してきた地理分野が終わり、これから歴史分野の学習に入るこのタイミングで「歴史学習にどのようなスタンスで学習していくのか」「歴史学習とは?」という内容で出前授業を実施しました。
<歴史が好きですか?>
<私は、歴史が好きです。みなさんは?> |
「歴史が好きな人?」の問いかけに両方のクラスとも10人弱の生徒さんが挙手していました。 「覚えづらくて歴史は嫌い。」という生徒さんの方が多かったようです。 でも、本当に歴史が嫌いなのか? |
<潜在的歴史好感度把握チェック>
<「わからんな」「どんな人だっただろう」> |
付箋紙に書いた歴史上の人物は、4項目の中のどこに入るか考えて貼っていきます。 A組は「肉が好きで海へ行きたい」「肉が好きで山へ行きたい」「野菜が好きで海へ行きたい」「野菜が好きで山へ行きたい」のどの項目に当てはまるか考えました。 B組の項目は「酒が好きで、犬が好き」「酒が好きで、猫が好き」「スイーツが好きで、犬が好き」「スイーツが好きで、猫が好き」でした。 でも、本当に歴史が嫌いなのか? |
<同じ歴史上の人物でも貼る人によって違うなあ> |
<何をした人かは知っていたけど、何が好きか嫌いなんて考えなかったなあ」> |
今まで考えたことのなかった歴史上の人物の好き嫌い。でも、「○○さんが海で焼き肉をしているところを想像してみよう。」と促すと、今までに知っていることから、○○さんのことを考えていこうとしていました。
この様に、歴史を考えていくと、もっと身近なものに思えてくるでしょう。
<やわらかい脳みそにしよう>
<セットになる物が変わると・・・> |
(金槌が一本の絵を見て) →大工?いや、だいたいの家にあるなあ。 (金槌がたくさんある絵を見て) →大工・マニア・売っている・造っている (たくさんの金槌がすり減っていたら) →大工・マニア (のみ、かんな、ものさし、金槌なら) →大工・設計士・趣味 (金槌・のみ・彫刻刀の組み合わせなら) →彫刻家・学校・家具職人・版画家・・・・・ |
どの絵も金槌だけが共通していて、組み合わせる物が違います。組み合わせによって推測が変化していったことから、「どんな物とどう関係するのか?」が重要であることを意識させました。
<歴史を「理由」で考えてみよう>
歴史も同じ!!歴史上の人物も一人だけで行動したのではない。
人間がしたことには必ずわけがある。
その人になって「理由」を考えてみよう。
「なぜ、織田信長は天下統一をしようとしたのか?」
・信長さんが一人で天下統一をしようと思ったの?
・周りの人が思っていたの?
・どうしようもない状況だったの?・・・
・信長さんが一人で天下統一をしようと思ったの?
・周りの人が思っていたの?
・どうしようもない状況だったの?・・・
人と人のつながりから見えてくること、わかることを考えていくとおもしろそうだということが伝わっていきました。
<過去を甘く見てはいけません>
「今までにだれも食べたことのないスイーツを作りたい。」さて、どうやって作る?
未来にすることは、過去を知らないとできません。過去から未来へ時間がつながっています。
今したことは、もう過去になってしまいました。
CMで矢沢総理が「過去のデータで未来がわかりますか?」といっているけれど、過去のデータがなければ未来は予想できません。
<なぜ、今、歴史なのか?>
自己紹介をするとしましょう。名前や年齢の他に住所や学校名も紹介するでしょう。
外国の人に自己紹介するなら、「関」だけではわかりません。
関のことを詳しく話すことが必要です。
「古い歴史がある」 「山に囲まれている」 「美しい町並みがある」 「地蔵院がある」 「関の山車が有名だ」 「おいしいお菓子がある」 |
<関ってどんなところかな?> |
<歴史とは「愛」です> |
関のことを詳しくするのはどれも関の自慢話です。 生まれ育った地域のことを知ることは、自分が自分である証(identity)を知る一つです。 相手のことを詳しく知るのは自分のことを知っていなければできません。 |
歴史を学ぶとは、自分の国日本を知ることです。グローバルな視野を持った人になっていってください。そのために、歴史を楽しんで学んでください。
生徒たちの感想から
- この様な授業は初めてで、結構いいなあと思いました。また、これからもいろいろ知りたいなあと思いました。
- 今回の授業で「歴史について」考えてみようかなと思いました。歴史の楽しさや考え深いところを知ることができました。
- 僕は歴史がとても嫌いだと思っていました。でも、亀山さんの話を聞いて僕は、本当は歴史が好きなんじゃないかと思いました。
- 亀山さんの話を聞くまで歴史は嫌いでした。たくさん出てきてその人が何年に何をするとか覚えるのが嫌いだったからです。でも、亀山さんの話を聞いて歴史の勉強に少し興味を持ちました。考え方を変えるだけでこんなに変わるんだと思いました。これからの歴史の勉強が楽しみです。
- 「歴史が好きかどうか」を調べる実験では、心の片隅でみんな歴史が好きと言うことがわかりました。私はもともと小学生の頃から歴史が好きだったので今回の授業を受けて、ますます好きになりました。
- 亀山さんの話で歴史から逃げることはできないことを教えてもらいました。自分たちが生きた時代も過去になることがわかりました。私は歴史が大嫌いです。でもがんばろうと、ちょっとやる気が出てきます。
- 歴史の授業のイメージががらりと変わった。ただ、テストのために勉強すると思っていたからです。過去の出来事があるから今からについて考えられると知ったからです。また、ただ、教科書を暗記するだけではなく、この人物はこう思ったから、こういうことをしたんだと考えることが大切だとわかりました。歴史を学ぶのは、未来のためであり、歴史は今この瞬間とつながっているとわかりました。