博物館実習で作られた資料玩具

平成25年度の博物館実習で実習生が作成した資料玩具です。

限られた資材と時間の中で、いずれも子どもたちに受け入れられやすいよう工夫がされています。
参考にして、皆さんも作ってみてはいかがでしょうか。

資料玩具1   資料玩具2   資料玩具3


資料玩具1
資料玩具の名前  クイズ迷路
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資料性の帯び方(特徴)  昔(江戸時代)の旅行道具について、どのようなものを使っていたか、クイズ形式で学べる。
 亀山宿・関宿の展示や、東海道の展示と連動させることで、当時の旅がどのような経験だったのか想像・理解する助けになる。
既存の亀山市歴史博物館オリジナル資料玩具を分析したうえでのPR点  既存のものは、パズル形式や何かをはめこんでいく形式のものが多かったため、それ以外の形式で楽しみながら学べるようなものを考えた。
 また、手の小さな子どもも比較的取り扱いやすいような大きさにしてある。
工夫したところ  漢字の使用やクイズの内容(方位磁針がでてくる等)は、対象年齢を小学3年生に設定しているが、それより幼い子どもも、迷路や写真を楽しめるようにしている。
 また、ビー玉を使うことで、ただ指でなぞるよりも集中して、クイズや迷路に取り組める。
今後のバージョンアップの可能性 時間の都合上、今回省略したもの:ビー玉を回答のところまで落とす仕組み・問題数・迷路の長さ・迷路への色付け

問題・解答部分を付け替え可能にすると、様々な展示で使えるようになる。

半球のものの上に取り付けると、力の弱い人でも大きな迷路を取り扱いやすくなる。


資料玩具2
資料玩具の名前  文字もじぶろっく
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資料性の帯び方(特徴)  昔の文字を使用した資料を展示する際、文字を読むことが苦手な子どもたちに文字の形から親しんでもらうことはできないかと思った。
 ブロックを組み合わせて文字を作ってもらうことで、その文字がどのように形づくられているのか知ってもらえるのではないかと思った。
既存の亀山市歴史博物館オリジナル資料玩具を分析したうえでのPR点  「いろは歌パズル」の説明で子どもは「ゐ」「ゑ」がわからなかったと聞いたのでブロックに取り入れた。
 子どもは立体物が好きで、立体の方が存在感があるという意見があったので立方体にした。
工夫したところ  パソコンで打ち出した活字ではなく、実物の文字にこだわりたかったので、文字も背景も資料をそのまま使用した。
 子どもに少しでも親しみを持ってもらえるように、ひらがなにした。「か」「め」「や」「ま」の4文字は見慣れた文字なので組み合わせた時に「知ってる!」という喜びを感じられ、「ゐ」「ゑ」の2文字は新しい発見や知識として頭に残れば良いと思った。
今後のバージョンアップの可能性  形がいびつなので整った立方体になるようにする。
 張りつきが弱い部分をしっかり止める。
 一文字ごとにフチに色をつければ分かりやすくなるので対象年齢を広げることができると思う。
 文字を変えれば、いろいろな場面で活用できる。


資料玩具3
資料玩具の名前  「ちょっとむかし」の人生ゲーム
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資料性の帯び方(特徴)  さいころと駒を用意し、スゴロク形式で進めていく。
 一年間の季節の流れをベースに、昭和初期のころの一般的な農民の暮らしを織り込んでいる。
 お金の概念を理解できる小学校3〜4年生以上を対象とする。
既存の亀山市歴史博物館オリジナル資料玩具を分析したうえでのPR点  紹介していただいた資料玩具の中で、子どもに人気なのは、大きくて派手なものや華やかなもの。そして競争に関わるものであると感じた。
 これらの点から(1)複数人で遊べる(2)大きいもの(3)色や形で工夫できるものを組み込んで、何かできるだろうかと考察した。
工夫したところ  子どもが季節の流れを自然に感じられるように、色紙を使って季節のイメージカラーを表現した。
 写真を使って、「ちょっとむかし」の暮らしをイメージしやすいように工夫した。
 「財産」「農業」「牛」について理解できるよう工夫した。子どもがお金の価値を理解しやすいよう、金額を低めにした。
今後のバージョンアップの可能性  今回は農民のライフサイクルをテーマに選んだが、ほかの職業を織り交ぜてみても楽しいかもしれない。祭や行事などにも留意してマスを増やせば、季節の流れをもっとリアルに感じられると思う。「亀山」の民俗をもっと推してもいいかもしれない。

 写真を増やしたい。文字をわかりやすく書く。